メイン展示会場 DESSIN – YOSHIKI HASE
韓国 Daegu Photography Biennale 2023 に参加してきました。
大邱(テグ)は韓国南部の都市です。2年に1度開催のフォトビエンナーレから招待を頂き、実際に現地に行ってきました。1週間の滞在予定でオープニングセレモニー、作品の展示を見てまいりました。
僕の作品を選んでくれたのは、フランス人キュレーター Michel Frizot氏です。Michel氏は、主に写真に関する歴史家でもあり、非常に優れた写真史の本を手がけているようです。今回のキュレーションのメインテーマは「Origin of Photographic Power」〜写真の力をもう一度確認しよう ! という力強いものです。
現在、映像やあらゆるメディアが氾濫する中で、ビジュアルアートとしては旧世代、限定的なイメージもある写真に対して、もう一度その価値を再確認しようという意味合いが込められているのではないかと思います。
世界中から集められた作品の中で、僕のプロジェクトは DESSIN シリーズが展示されています。125cm幅の規定のサイズより少しサイズダウンしたものです。パンデミックで海外に3年間行けなかったのもあり、久しぶりの海外アートフェアでもあり、実際に展示を見ると気分が上がりました。
海外アートフェアの展示に参加し改めて感じるのは、写真の迫力です。
良い意味でまったく作家の遠慮がないものが多い。大きい必要があると考える作品には、作家は非常に大型のプリントを作成します。
今回、キュレーターがフランス人、場所が韓国ということで事前にまったく想像はつかなかったのですが、日本では目にすることのない幅 2m近くの大型作品も非常に多く、そういう意味では改めて感じるものがありました。ちなみに、今回のビエンナーレでは、プリントは全てキュレーターの指揮下のもと現地でプリントをされていますので、作家側での作業はありませんでした。
前夜祭には、現地 KBSテレビの取材を受け作品の説明をしたり、中国のフォトフェスティバルで出会ったシンガポールのキュレーター陣、韓国の写真家に再会したりなどのサプライズもありました。
どちらかというと韓国の作家の作品があまり多く展示されていない印象だったため、そこは少し残念でした。
というのも、写真というのはお国柄があり、フランスにはフランス、オランダはオランダ、中国は中国、日本は日本と、なんとなく全体的なトーン、興味や流行りの方向が似てくるものです。
例えば中国の作家は、テーマの鋭さと同時に、ビジュアル表現として色使いが激しく過激なものが多い傾向を感じます。良し悪しではなく、日本の作家にはあまりあのような激しさは感じません。今回、韓国の写真がどういう感じなのかを感じたいと思っていましたが、これは持ち越しです。
展示会場は全部で5会場に分かれており、町中をサテライトで巡るようなスタイルです。僕はいつもそうなのですが、できるだけ初めての街のフィーリングを感じたいので、地下鉄やバスを利用するよりも歩くようにしています。大邱でも1日平均18kmも歩いてました !
他の作家の展示や会場については、また続きのレポートを書きます。読んでくださり有り難うございます。